第七機☆ DREAMLAND MARYISLAND教室の外でいつものように厭希、西沢、翔太の三人で商売!?まぁ一種の何でも屋をしていた。 『おぉいニッシー、客こねぇぞ。』 『僕に言わないでよ。来ないのは客のせいだろぉ。』 『そういえばあの時以来あまり客が来ないっすねぇ。』 三人は暇をしていた。客がなかなか来ないのだ。 『そういえば今日は桜さんの顔が見えないようだけど、厭希知ってる?』 『しらねぇよ。何で俺が知ってんだよぉ。』 桜命のニッシーとは裏腹に俺は別に桜のことなんて気にもかけてはいない。 『兄貴、喧嘩はやめてくださいよ。疲れるだけですよぉ。』 そこに止めに入った翔太だが、正直敵にはしたくない。彼の強さは前回の話で実証済みだ。 『そうだな。それにしてもホンット、客こねぇなぁ。』 『そうだね、やっぱ場所が悪いんだと思うんだよねぇ。教室の前じゃ来るとしてもこの学校の人だけでしょ!?やっぱ事務所とか持つと楽なんだけどなぁ。』 そういい、ニッシーは、俺に不動産屋の本を渡してきた。 『じゃあ持とうぜ。』 『厭希兄貴~、お金がまったくないですよ。この前だって打ち上げでお金なくなっちゃったじゃないっすかぁ。だいたい兄貴は金遣いが荒いんですよぉ。』 翔太の説教が始まった。こいつは話し出すと止まらない。それもこれまでの話で実証済みだ。 『うるせぃやぃ。』 そうこうしているうちに、周りの人だかりが無くなった。そろそろ授業のチャイムがなるらしい。 『そろそろ授業だね。』 『俺ふけるわぁ。』 『兄貴何言ってるんですかぁ、だめですよぉ出なきゃ。』 翔太の説教が始まりそうだ。 『あのぉ……』 『だいたい、兄貴は、よく授業をふけるそうですが…』 『あのぉ…すいません』 客がいたらしい、二度目の声は最初の声を凌駕するほどの大声だった。 三人ともビックリして少しの間固まった。 『はい、いらっしゃい。』 そこに経っていたのは厭希たちと同じクラス相内幸田だった。 『今日はちょっと相談なんですが、僕の映画にでませんか?人数に困っているんですよ。』 映画!?初めてだこんな依頼、だが依頼を選んでなんかいられない。なぜなら依頼がまったくないからだ。 『いいでしょう。出ます。あのぉ報酬などは求めてもいいですか?』 ニッシーが怪訝そうに聞いた。 『もちろんですよ。それを承知できたんですから。それではOKということでいいですか?』 『もち!』 三人の返事が聞けて嬉しさを隠し切れずに相内は、言った。 『それでは今日学校が終わり次第。またここに着ますので…』 相内はそういうと自分のクラスへ帰っていった。 『よし、仕事が入ったことだし久々に授業でも受けにいこっかなぁ。』 翔太が無言で相づちをつく。 『兄貴たち授業が終わったらここに集合ですよ。』 三人は個々の教室へ入っていった。 そして授業が終わった頃 『よし、翔太、ニッシーいるな!あとは待つだけだ。』 三人は座っていた。 『いやぁお待たせしました。』 三人は半分寝ていた。 『あのぉ、今何時ですかぁ。』 授業が終わってから数時間が経っていた。 『すいません、遅くなってぇ。』 相内の後ろには数十人の人が集まっていた。映画を撮るためのいろいろな機材がある。 『なんか、大掛かりですねぇ。』 初めて見る大掛かりな機材に少々驚き気味の翔太が言った。 『当たり前じゃ~!映画を撮るときは心を込めて全力でとるんだぁ。機材がそろってなくちゃ話にならぁん。』 なんかキャラが変わっているような。 『すいません、うちの部長映画を撮るときにはすごく怖い人になるんですよぉ。』 後ろにいた部員らしき物が言った。 翔太はあまりの驚きに泣き出しそうだ。 『まぁそれじゃ向かおうか!とる場所などはもう決まっていますので。』 『ちょっと待ってよ。台本は?僕たちは何役?』 ニッシーが目を丸くして聞いた。 『あぁそれなら大丈夫!あっちに行ってから台本を渡すから。一カット、一カットゆっくりするから、そくせきで大丈夫だよ。』 『あぁ分かりました。じゃあ厭希、翔太行こう。』 『ねぇねぇ何で相内が部長なんだ?一年生なのに』 後ろで厭希が部員に小声で話していた。 『映画への熱意で先生に推薦されたらしいですよ。』 『それでは移動しますのでついてきてください。』 一行は相内の誘導に移動した。 相内たちに連れてこられたのはなんと厭希のお城の後ろだった。 綺麗な噴水が特徴的だ。 『ゲ!』 厭希がそのことに気づくと翔太が厭希の顔色を伺ってきた。 『どうしたんですか?顔色悪いっすよぉ。それにしてもこれで俺も映画デビューっすかぁ。このままハリウッドに推薦されちゃったりしてぇ。』 妄想壁の激しいお方だ。 『別に、たいしたことねぇよぉ。』 なんとしても隠しとおさねば… 『そうっすかぁ!?ならいいっすけど…』 さぁどうしようかな。城の者たちに見つかったら大変だぁ。素性がばれちまう。 『それでは台本を配ります。各自受け取ってください。』 相内から台本を個々にもらった。 厭希は、早速台本を見てみた。中には訳名からセリフまでコト細かく書いてあった。 『へぇ、俺はカズシ役かぁ。』 翔太とニッシーは、カズシの友達の役だった。題名はオレンジコートと書いてあった。中を見ると恋愛&格闘系だった。なかなかのできばえだ。 『それじゃ最初のシーン行きますので、スタンバイしてください。』 最初のシーンには厭希たち三人とも出るがセリフは全然無かった。 『シーン1、よ~い スタート』 相内は威勢のよい声とともにカチンコで音を立てた。本格的だ。 最初のシーンが始まり数秒ともならないうちにいきなり噴水の水が飛び出た。 『カット~、みんな非難してぇ。カメラとかはぬらさないように~。』 みんなは、木の陰に非難した。 『なんだ?』 相内を戦闘にして噴水の中をのぞいた。 中にあった水はすべて飛んでいってしまい、底が見えている。 『どうしよう。噴水は他にないしなぁ。よし、近くに噴水のあるところを探しておけ。』 相内の指示により数名の部員が地図を取り出した。 『何でいきなり水があふれたんだろぉ。』 『わからん。翔太底までどのくらいだ?』 『だいたい、5,6メーターは、ありますね。どうします?下に下りて調べてきましょうか?』 翔太はおよその長さを言って、ロープを取り出した。 『良いよ。なんかあったら大変だし、相内たちに任せようぜ。それにあとで聞いてみる。』 『厭希、誰に聞くつもりだい?警察の友達でもいるのかぃ?』 『あ!?いや、そうそう。警察に友達がいるんだよぉ』 あぶねぇ。城のことがばれたらやばい。なんとか厭希はごまかせた。 相内が向かってきた。 『場所が確保できたから、今から底に向かうからついてきて。』 『OK!』 ニッシーが答えた瞬間。辺りが暗くなった。 大方太陽が雲によって隠れたのだろうと、思った。 しかしその暗さは尋常じゃなかった。そこにいる人の歯と目だけが少し明かりを燈らせていた。 『なんだ?今度はどうした?』 相内は少し動揺していた。 『ニッシー、翔太近くにいるか?』 『いるよ。』 『ここでぃ』 三人含む映研部一行は、無重力状態になった。 『なんだ?ニッシー宙に浮いてるぜ!?』 『バランス感覚しっかり持って!』 三人含む映研部は、何かの竜巻に巻き込まれたように宙をぐるぐる廻っていた。 目が廻ってきた。気持ち悪い 気がついたときにはもといた噴水では、なかった。ここはどこだ?周りには木々が立ち並んでいる。どうやらどこかの森に来たらしい。 『運んでくれたのはだれ?』 周りに人は全然いなかった。 『あぁ、良く寝た。』 『うわぁ~~!』 厭希の真後ろには、相内が座っていた。どうやら彼も気を失っていたようだ。 『あれ、厭希他のやつらどこ行ったんだろう。』 『俺も今それが気に掛かってるんだよ。ニッシーたちもいないしな。』 厭希は、一旦周りを見回した。 『とりあえずここから出よう。森にいたって何も始まらないだろうしな。』 厭希が相内に向かっていった……のだが… 『今どこかに飛んできてしまいました。さぁこれからどうなるのでしょう。』 相内は、自分のカメラに向かって挨拶をしていた。ここまで来て、この状況のうえ、カメラを動かしていた。映画魂万歳だ。 『相内、もういいか?そろそろ行こう。』 厭希は、少し呆れ顔だ。 そのとき周りを何者かが囲んだ。ざっと20人はいるだろう。距離は4,5十メーターというところだ。 相内はまったく気づいていない。 『相内、目線や行動を変えないで聞いてくれ。』 相内は少し躊躇したが、短くうなずいた。 『今周りを囲まれた。戦っても勝てるとは、思えない。もしつかまったとしても抵抗するなよ。』 厭希一人ならまだしも相内もいるところで無茶はできない。 周りを取り囲んでいた内の一人が厭希たちの前へ出てきた。 『お前ら、何しに来た!ここを荒らしに来たのか?それだったら殺す。』 『いえ、暴れる気は砂糖一粒ほどの甘さほどありません。』 『何しに来た?』 その男性は厭希たちを見据えて続けた。相内は固まっていた。どうなっているか状況把握できていない。 『道に迷って気づいたらここにいました。』 本当のことを言っても信じてくれるはずが無い。 『そうか、ついて来い。』 その男は厭希たちを後ろ手に縛ると森の奥のほうへと歩き出した。 数十分歩いただろうか、小さな小屋がいくつか見えてきた。 『よし、その小屋に入れ。』 言われるがままに厭希と相内は入った。 『おい、相内もし隙があったら逃げるぞ。』 そういうと厭希は手首から薄い鉄板を出した。少しとがっているようだ。 その鉄板でロープをこすり始めた。 『何やっているんだい?』 『ギク』 誰かに見られた!?やばい隠さねば… 『何をやってるんだぃ?厭希そんなにあせって君らしくないよ。』 へ!? 『ニッシー!それにみなさん!』 そこにいたのはニッシーと映研部のみなさんだった。 『どういうこと?』 さっぱり意味がわからん。厭希は、あまりの状況にあたふたしていた。 『まぁ説明をしようか。厭希、相内君いいかぃ?』 二人ともうなずいた。 『僕たちは助けられたんだ。僕たちも君たちと同じく囲まれてここへつれてこられたんだ。だけどあそこに何もせずに突っ立ってたほうが危なかったんだよ。』 『待って、ニッシー。まったく状況を飲み込めない。ここはどこ?』 『あぁそうか、そこから話さなきゃいけないか!そうだね。まずここはどうやら日本ではないらしい。暗くなってどこか他の世界へ飛ばされたらしいんだ。彼たちはここをメリーアイランドと呼ぶらしい。ここまではいいかぃ?』 少し半信半疑だが二人ともうなずいた。 『そして彼らだがどうやら悪い人ではなさそうだね。僕たちを助けてくれたらしい。』 『待った、そこが良く分からないんだよな。助けてくれたならなぜ俺たちをロープで縛ったりした?』 そういうとロープをニッシーに見せ付けた。 『あぁごめん、ごめん、まだついてたのか!?ちょっと待ってはずすから。』 そういうと映研部とニッシーは二人のロープをはずした。 相内は黙りこくっている。 『まぁそれは理由があったらしいんだよ。僕たちはここまでしか聞かされていないから良く分からないけど、これからその話をしてくれるらしいよ。だからこの部屋で待たされているんだ。』 ここで厭希は、ふと気がついた。翔太がいない。 『ニッシー翔太は?』 ニッシーは少し顔色が悪くなった。 『実は…』 『どうしたんだよ!?一緒じゃなかったのかよ!』 厭希は、少し取り乱している。 『まぁ落ち着いて聞いてよ。あのね、翔太なんだけど僕たちとさっきまで一緒にいたんだよ。だけどなんかいきなりどこかへいっちゃったんだよ。それまで5,6分一緒にいたんだけど、何もしゃべらなかった。驚きで話せなかったのか、顔がすごく青ざめてたんだけどね。だから今はここにはいないんだよぉ。』 ニッシーは落ち着いてそのことをいった。 『おいニッシー、翔太のことが心配じゃないのかよ。』 『僕だってそりゃ心配さ。だけど何かあるんじゃないかなぁ。何も言わずにどこかへいっちゃうなんておかしいとは思わないか!?だから僕は戻ってくると思うんだよね。それにあいつは一人でも大丈夫だと思うよ。相当強いからね。』 そしてニッシーが続けて話した。 『かといって、ほうっておくのはよくないよねぇ。ってことでここで話を聞いてから助けに行こうとおもったんだよ。それが今の状況、把握できた?』 『そうだよな。俺たちは冒険屋簡単にやられないよな。』 自分に暗示をかけるかのように独り言をつぶやいた。 『で…話を聞くって?』 『さっきも言っただろう。僕たちを助けてくれた人たちが話をしてくれるって。』 そのときドアが開いた。 厭希の矛先はドアから入ってきた老人に向かった。老人の周りには数人の人が集まっている。 『皆さん、迷惑をかけました。うちのものがかんちがいをしてしまって、』 この話からするにこの人が一番偉いらしい。町で言うと町長というところだろう。 『しかしじゃ、少し話を聞かせてもらったのじゃがあなた方の友達じゃが、ドリーム城へいるかも知れんのぉ』 『なんでそんなことがいえるんですか?まさか僕たちを利用しようとしていませんか?』 ニッシー直球勝負 『ニッシー、せっかく助けてくれたのに何てこといってんだよ。』 『第一、僕たちを助けてくれて、翔太の居場所も知ってってどういうことなんですか?疑ってもおかしくはありませんよ。』 老人はそのどんな若者でもむかつくようなその理不尽な一言にもゆっくりと怒らないで答えた。 『そう思うのもおかしくはないのぉ。ワシがなぜおぬしたちのことを助けたのかを説明せねばいけませんなぁ。その話なんじゃがそれはおぬしの言うとおりだ。おぬしたちを利用しようとしていた。じゃがその翔太という若者がそこにいるということは間違いないじゃろう。先ほどここは別の世界じゃとそちらの若者に説明をした。』 老人はニッシーの方をちらりと見た。 『この世界というものなのだがワシたちは昔から住んでおった。そして地球とこことを行き来していたのじゃ。しかしドリーム城に住んでいるものたちが現れてからそれができなくなったのじゃ、あいつらは地球とこことの出入り口を制御できる装置を持っておる。じゃからワシたちは地球へいけないのじゃ。』 『それじゃぁ答えになっていませんよ。翔太の居場所が分かった理由きっちり教えてくれませんか?』 ニッシーが年の差を気にせず問いただした。状況を把握していないのはニッシーの方じゃないか。もうちょっとご老人には気を使わなくては…じゃなかった。とりあえずこういうときはしたてに出るのが一番だ。今度注意しておかなければ。 『おぉ、それはすまないのぉ。なにせこの年はなしているうちに当初の目的を忘れてしまうのじゃぁ…で…なんじゃったかのぉ』 このおじいさん天然じゃん 『翔太の居場所。』 天然おじいさんにニッシーがもう一度言った。 『そうじゃった。この世界はすごく狭いのじゃ。そしてここ意外に暮らせる場所はドリーム城しかないのじゃ。おわかりかのぉ!?』 ニッシーは納得したようにうなずき言った。 『それでは今すぐそこに向かいたいのですが、どうしたらいいのですか?』 『それなのじゃが、今すぐはむりじゃ。明日にしなさい。わしの部下をつける。相当のて強者じゃ。』 ニッシーは納得していないようだが厭希が宥めた。 『ニッシー、年の功だ。今はこの人の言うことを聞いておけ。』 何とかニッシーを宥めるのに成功した。ニッシーのこんな姿始めてみた。友達思いのいいやつだ。 二人と映研部の部員たちは、一つの小屋に泊まった。飲み物を飲んでいるものがいる。相当疲れたのだろう。 『相内、明日俺たちは戦いに行く。お前たちは危ないから、絶対にくるなよぉ。』 厭希が飲み物を飲みながら言った。 相内は久々に口を開いた。 『それなんだが考えたんだがついていくことにするよ。っていっても戦うわけじゃない。俺たちは映研部。絶対にいい絵を取るから。』 ニッシーが口を開いた。 『本当はダメだといいたいところなんだけど、君たちの行動を支配できるほどえらくはないからね…部員もそういっているのかい?』 『もちろん、もう話済みだよ。』 『もちろんです。俺たちも行かせてください。絶対邪魔にならないから。』 『お願いします』 口々にお願いしますという声が聞こえる。これにダメとはいえなかったのかしかたなく承諾した。 それからは少しの雑談があった後、みんな明日に備えて寝ることにした。 寝た頃にはあたりはもう真っ暗になっていた。 THE=END TO BE CONTINY |